今日のテーマは、「日本を客観視する」。
今、テレビ番組は「日本礼賛」花盛りです。具体的な番組名は書きませんが、「訪日外国人が見た日本はこんなにすごくて魅力的」型が目立ちます。事実は決してそうではないらしい。「日本がっかり」でリピーターにならない外国人観光客も多いようなのです。
日本人が元気を出すために「日本の素晴らしいところ」に目を向けるのは必要なことですが、一方で「日本の素晴らしくないところ」から目を背けてはいけない。個人も、個人で成り立っている国も、自分(たち)の長所、短所をわきまえてこそ、他人や外国ともうまく付き合えるし理解し合える。そして、自分が進むべき方向も、少し大きな視野で考えられるのではないでしょうか。
手っ取り早いのは、本をたくさん読むこと。読書は、「人の経験」を短時間で大量、安価に獲得できる最良の手段だと思います。
僕がこころがけているのは、同じテーマの本を複数読むことと、対立する両論を比較すること。ついつい自分と反対意見の本は腹が立つので無視しがちですが、我慢して手を出す。どっちか分からない場合も両方読めば、両方の意見から多面的な見方を得られます。
僕は当たり前ですが日本が普通に好きなので、「日本の悪いところ」や「日本がどう見られているか」を知るのが最近のテーマです。
キャリアを考えるときにも、当てはめてみてはどうでしょうか。時間軸と地理軸を広げて考えてみれば、切羽詰まったアタマも柔らかくなりそうです。
就活や転職など難しい局面に置かれているとき、どうしてもものの見方が近視眼的になってしまいがちです。10年は長くて短い。世の中の変化は速いのに「いま」がずっと続く前提で判断してしまう。
10年先の予測など「当たるも八卦」の世界。そのとき「正しい」選択ができても、その判断には賞味期限があるのです。それならば「どうなるのか分からないけど、いまはこれでいいので決める。納得いくまでやってみる。状況が変わったら自分も変わる」でいいのではないかと思っています。
10年たてば、日本も否応なく変わっていると思うし、変わらなければジリ貧でしょう。今だけを、日本だけを見れば、制度や文化は雇われる側からは変えられないけれど、選択
の幅は広げられる。世界を見れば会社側・経営側も、横並びではないやり方への意識を持てる。メンター的立場の人もヒントを得られる。
そんなことを、この本を読みながら考えました。
空き時間に図書館に籠って2日目で読み切ったのですが、棚に戻さずにうっかりカバンに入れて、貸出手続きをせずに持ち帰るドロボー行為を働いた本です。本日(執筆日)、こっそり棚に戻してきました。