東京で月2回、地道に続けていたところ、ぜひ大阪でも、とご要望があり、今回が5回目の大阪セミナー。東京とはまた違った雰囲気で、楽しい時間を過ごして帰っていました。
会社勤務と違って、零細企業経営者にとって出張は身銭です。お金はもちろんですが、費やす時間もばかになりません。正直を言えば、大阪でセミナーをやっても、懇親会の飲み代を引けば現金収支はトントンか、良くて少し浮くぐらいなのです(赤字にしないための節約術はフル出動です。ヒントは写真)。時間コストまで考えたら完全に赤字ですね。
それでも、僕が貴重な時間を使って大阪に行き続ける理由は何でしょうか?
電子書籍で商業出版できる魅力を関西の人にもどんどん伝えたい、というのは当然ですが、お金にならなくてもいいなどという殊勝なボランティア精神ではありません。
「行き続けることが投資」。自分自身が好きで参加者に喜んでいただけるセミナーをやれて、赤字なしで大阪へ行ける。独立起業ようやく2年生の今、これはけっこういい展開なのです。
せっかく出張するのだから、主目的以外にも何か価値のある活動を入れるのを習慣にしています。大阪開催のセミナーを自分が受講する、夜のビジネス交流会(飲み会)に参加してみる(「わざわざ千葉から来てくれた人」で目立つ)、会いたい人に
アポを取って会う、などなど。
こんな地道な行動を重ねていると、何も地盤がなかったはずの関西にも気が付けば「人とのつながり」というしっかりとした足掛かりができている。
先月から今月にかけて、大阪での(電子書籍セミナー以外の)ビジネスに何となく展望が開けてきました。それも、最初の頃は狙っていなかったところから出てきたアイデアばかり。アイデアはいつ、どこで「降りてくる」のかといえば、人と会って話しているときなのです。
今日のメッセージは、「リアルでアナログなコミュニケーション」です。
例えば、「社会実験」(会社実験?)として、ケータイやメールや電話会議やビデオ会議を一定期間禁止して仕事をしてみてはどうか、などと考えています。もちろん成果目標は下げずに。
確かに昔より業務は効率化されたかもしれないけれど、空いた時間で価値のない仕事で費やしているだけなのではないか。僕が社会人になったころは、パソコンもなく、電卓叩き、電話とFAXと手書き文書で仕事をする日々(その最終世代?)でしたが、その頃と今の、本当の生産性を長期スパンで比較した研究が存在していると面白いと思います。
ネット環境もケータイもなければ、電話で直接話すか、会うかしかない。人間同士がぶつかり合うコミュニケーションが多いし濃かったのです(ちなみに、最後に勤務した外資系の会社では電話も一人ずつの携帯で固定電話が廃止されていましたので、「電話を取り次ぐ」コミュニケーションすらなく、朝来て、一日中、誰とも会話せずに帰る人すらいました)。
この便利さがひょっとしたら、かなりの新しいビジネスアイデアの誕生を邪魔しているかもしれないなあ、と独立独歩で稼がなければならない今の自分は考えるのです。
無いものを使うことはできないけれど、有るものを使わない選択はできる。
どちらがいいのかしっかり考えて、短期的にはムダ、非効率な行動を行う勇気と意志を持ちたいと思います。
でも、新しいPCがほしいのです・・・。