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第26回 海外に出ない選択はない

一歩ずつ、前に進もう 2017/09/19(火) 08:57

こんにちは。CMNブログ第二週担当の水谷弘隆です。

今月、タイへ出張することになりました。目的はあるビジネス団体の会議出席ですが、話を聞いて「行きたい」と即座に手を挙げました。海外出張となると予算だとかスケジュールだとか仕事の状況だとかいろいろあって悩むべきところですが、直観により2秒で決断しました。諸事情などは決めてから調整すればいいのです。

なぜ、即決したのかというと「タイに行ったことがないから」に尽きます。もちろん遊びに行くわけではなくて現地人脈づくりやビジネスの可能性探索がメインです。でも、最大の期待効果は、旅や遊びの要素も含めてその国を「見て、体感して、知る」ところにあります。人生の楽しみの一つは、「未経験を経験に変えていくこと」と思っています。一つでも多くの国を訪ねてたくさんの国に友達を作りたい。

僕はもともと海外に関しては大変にオクテで、初めての国外渡航は30歳の新婚旅行でした。海外経験がないことは、英語がカラキシだったことも含めて長年のコンプレックスだったのです。

30を過ぎてから僕の海外戦略が始まりました。独学で猛然と英語を特訓し、とりあえずTOEICの点数だけは人に言えるレベルに引き上げました。いつチャンスが舞い降りてきてもいいように準備をしておこうという作戦です。

チャンスは訪れました。当時勤めていた会社で新たな公募留学制度を創設したのです。ここで英語の準備が功を奏して首尾よく合格、37歳でのイギリスMBA留学を実現しました。この留学から早12年がたちましたが、振り返れば僕の歩みのなかで大きな転機だったようです。

留学で得たものは何か。MBAの資格。名刺交換をすると「すごいですね」と言われることは多いですがそれ以上のものではありません。経営の知識も得ましたが、時が経てば忘れてしまいますし日本にいても勉強できるものです。英語のハンデを背負いながら1年のハードなコースを乗り切ったこと。これは大きな自信になりました。特にタイム・プレッシャーへの対応力は相当に鍛えられ、現在の仕事(中小企業診断士)にも大いに活きています(締め切りに強いのでどんどんお仕事ご依頼ください)。

イギリス留学での最大の価値は「家族連れ海外生活」だったと思います。長男6歳、次男2歳を抱えて、日本人の少ない地方都市へ渡航。住む家も見つからないままに渡英し不動産屋通いからのスタートでした。家が見つかるまで3週間、B&Bの狭い部屋で心細い生活をしていたことを鮮やかに思い起こせます(B&Bのオーナー一家とは今でも家族ぐるみのお付き合いです。本当にお世話になりました)。

子供が高熱を出す、長男の学校を探す、洗濯機やボイラーが故障する、いちいち手続きが分からない、日本食用の食材を探す、妻のストレスがたまる、ご近所に助けを求める、お付き合いができる、徐々に慣れてきて楽しみが増える、銀行の口座が閉鎖される・・・そうこうするうちに長くて短い現地生活が終わってしまう(写真は、家族で旅行したコッツウォルズ地方)。

 

第26回 海外に出ない選択はない

「自分が外国人の立場になる」経験は何事にも代えがたい。大変だと言いながら経済的には会社に保護されていた自分にとって、東京でカタコトの日本語でカレーの移動販売をしているネパール人のおじさんは心からの尊敬対象です。

海外に行くあらゆるチャンスを狙いましょう。海外生活ができれば最高ですが、短期の旅行だっていい。現地の空気を吸って飯を食えば十倍濃縮の経験です。

タイではイギリス時代の同級生にも会える予定です。先日も台湾からクラスメートが来日して旧交を温めました。みんなあの強烈な日々が忘れられない。一生の宝物です。