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第8回 「一皮むけた」瞬間(中)

一歩ずつ、前に進もう 2016/03/13(日) 12:17

CMNブログ第二週担当の水谷弘隆です。花粉症の季節です。これさえなければ春の足音、嬉しいばかりなのですが、重症の僕はくしゃみ連発、目ショボ ショボの辛い日々を送っております。今日(執筆時3月10日)はそんなコンディションで「電子書籍出版セミナー」の講師をやってきました。不思議なことに 2時間半の講演中は鼻水もくしゃみが出ない。先日は舞台を観に行ったのですが、上演中はやはりくしゃみが出ない。集中すべきときにはアレルギー症状ですら コントロールできてしまうのでしょうか。

前回から3回シリーズの「一皮むけた」瞬間。これまでのキャリアの中で、自分が成長を実感した瞬間を48歳になった現在の目で客観的に振り返ります。

前回、「社会人最初の2年間は壁を乗り越えようと思わない。分かっていても行動に移せない。だから結果が残せない自分の能力不足でぶつかった壁を乗り越えたとき」、と書きましたが具体的にどうだったかのカミングアウトです。たぶん全て時効だと思います。

  • 営業担当が外回りと称して車で昼寝し時間をつぶす。
  • 「すべて」が入った営業カバンを駐車場に置き忘れたまま住宅展示場(住宅営業マンでした)へ行き、事務室内で気付いて脂汗をかく。上司より先にすべての電話を素早く取り、無事拾得者からの連絡を受けてこっそりと「営業」に抜け出してかばんを回収。
  • 1年上の悪い先輩とリゾートエリアへの土地調査へ行ったとき、そそのまされて海で遊んでから営業所に帰り、不自然な日焼けを疑われる。
  • 休日は将来のための勉強、自己啓発などあまり考えず、寮でゴロゴロして音楽を聴いているかパチンコ、競馬(日ノ出町の場外馬券売り場含む)などで過ごす。

よい成績などあげられるわけがありませんね。

 読者の若い皆様は、安心してください。積極的にお勧めはしませんが、こういう無駄だって(あとで活かせば、ですが)、幅を広げる経験です。

 さて、前編(上)では、第二段階「成長のために与えられた課題を達成できたとき」まで到達しました。今回はもう一段ステップアップした自分です。

 

 3. 期待されて、より大きな仕事をまかされたとき

 僕を厳しく、徹底的に鍛えてくれた優秀な上司は、あるときデカいプロジェクトの管理をポンッと僕に渡しました。10年に一度ぐらいしかない大きな商品開発を、担当者として動かす役割です。

「一皮むけた」瞬間


 正直、経験が少なく分からないことばかり。質、量ともに実力を超える重い仕事でした。しかし、この頃には僕の仕事やキャリアに対するマインドセットや器は多少大きくなっていて、「難しいから遣り甲斐がある」と心から思えるようになっていました。実際は上司が裏でかなり問題解決に動いてくれていたことは分かっていたのですが、それでも達成感で自信がつく。毎日日付が変わる深夜帰宅になっても苦になりませんでした。

 ちょうど妻のお腹に二人目の子供が宿っていた時期とも重なり、この多忙なときにわざわざ中小企業診断士の資格試験を受験する暴挙に出ました。早朝4時半起床で勉強しました。負荷をかけてみれば以外にできてしまうものなのです。結果はすべて首尾よくはこび、難関資格にも一発で合格できました。この資格挑戦については、いつか別の記事にしたいと思います。

 

 4. 自分で新しい仕事を開拓して提案し、実行したとき

 ちょっと話は飛びますが、中小企業診断士資格を取った後、社内公募の留学制度ができて、以前から狙っていたチャンスをものにした僕は、家族を連れてイギリスにMBA留学しました。37歳から38歳にかけてのことです。同級生の日本人には年上の人もいました。いま20代で「留学なんて無理」だと思っている人には事実として伝えておきたいと思います。

 留学から帰ってきた僕には、仕事の雨が降り注ぎました。本当は留学経験を活かせる部門に異動させてもらえるだろうと期待していたのですが、部長と人事部の間で「そのまま復帰させることが留学の条件」という、募集要項違反の密約が交わされていたのでした。

 MBAだから万能だろう。グローバル環境にさらされていない日本企業にありがちな大いなる誤解なのですが、その誤解の下、部門横断型プロジェクト(各部門から一人出す)には「全部」僕がアサインされました。無茶振りもいいところですが、留学でかなりの無茶に耐性ができていた僕は、「なにくそ」と逆にどんどん新しい提案、「変える」提案するようになりました。

 仕事はできるが受け身型と見られていた僕への視線が明らかに変わったのを感じました。「自信に満ちている」「おどおどしたところが完全に消えている」。直接ではなく、人伝に聞こえてきました。

 次回に続きます。