ビジネスコンテストなど、特に事業のスタートアップのアイディアというのは、当然誰もやったことがないので、どこまで突き詰めても未完成なもの。特に違う専門性を持っている人たちと議論を交わせば、これがいわば触媒の役割を果たして、いろいろな可能性が見えてきます。
私も大学でイノベーションの勉強をさせて頂いていますが、そこで教えられたのは、
Q:「イノベーションを起こせるアイディアの必須条件は?」
A:①見たこと、聞いたことがないこと
②実現が可能なこと
③物議を醸すこと
(前野隆司編著「システム×デザイン思考で世界を変える」より)
ということ、③の物議を醸すというのが、私はキモだと思っています。ただの「話」ではなく、「事業」というリアルなテーマでは、人は(特に上司側)は意思決定に保守的ですし、逆に多数意見に寄りすぎるとアイディアが丸くなってしまい、オリジナリティが薄くなってしまいます。
Alexさんのビジネスアイディアも上司には相手にされなかったと言うことですから、察するに同じような状況だったかもしれませんね。
さて、前置きが長くなりましたが、ここからは私のお話を。
じつは私も、会社の中でいま小さなイノベーションに挑戦中です。アイディアが認められて実行段階にフェーズが移っているのですが、ここで大きな壁にぶち当たっています。さきほど紹介した「③物議を醸す」ステージに入っていて、これがなかなか大変です。実現可能なメドは経っていそうなのですが、これをより「見たこと、聞いたことがないこと」に仕上げようとすると、いろいろなアイディアを考えます。ここまでは良いのですが、これをどう一つの考えにまとめていくかという部分で、ぶつかり合いがあり、これがポジティブな方向に行けば良いのですが、時としてお互いを批判したり、政治的な問題も加わったりと、ネガティブな方向に議論が向かっていくことも多く、何度かプロジェクトが空中分解しそうになりました。
ここで理解があり懐が深い人が現れて、珠玉の一言で自分も覚醒し、プロジェクトはV字回復して大成功!!と行けばドラマなのですが、いま何より致命的なのは、「相談する人」がいないのです。相談することの大切さをよくわかっているだけにこれは辛いです。自分が言い出して始めたことで、スタート時は意気軒昂に張り切っていたのですが、次々予想外の事態が襲ってくる中で、時間は無情に過ぎていき、孤独の中で決断しなければならないことが多くなります。もとも
とが寂しがり屋なせいもあるかもしれませんが(あまり関係ないかな?)、なかなか身内でも理解してもらえないとか、批判されるなど、冷たい視線を受けることを我慢するのが大変で、「孤独」と「不安」を払拭しながら、コトをどう前に進めるか。そこが今の最大のテーマです。
特にこれという方法はないのですが、今のところ何とか続いているのは、自分の「思い」をぶつけること。時には感情丸出しに(声を荒げて、机を何度か蹴飛ばしたりしましたが・・・(苦笑))、時には熱く語りと、とにかく「思い」を共有できる人を一人でも作って、そこから小さく少しずつ回していくということで、だいぶスケジュールは狂いましたが、まだ実現に向かって進んでいます。
これがどういう形で実を結ぶか、その答えは来月の今頃出ますので、次回は、その結果についてお話できると思います。(たぶん^^;)
今月の写真はこのイノベーションプロジェクトのヒントです。
お楽しみに。