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自分に合った仕事って?

北の大地から 2015/05/20(水) 09:01
ある日の朝、函館駅で青森行きのスーパー白鳥(左)と札幌行きのスーパー北斗(右)が並んで出発を待っています。来年、北海道新幹線が開業するとこういう風景も見られなくなるのは少し寂しい気もしますね。 ある日の朝、函館駅で青森行きのスーパー白鳥(左)と札幌行きのスーパー北斗(右)が並んで出発を待っています。来年、北海道新幹線が開業するとこういう風景も見られなくなるのは少し寂しい気もしますね。

前回は就活中の皆さんと話している中で、会社選びということは確かに大切ですが、あまり思い込むことなく、その理由が健全であれ、そうでなくても、一つ「いいな」と思うところがあれば、まずはそこで勝負してみよう!くらいの気持ちで良いのでは?ということをお話しました。

私も同じ会社に20年勤めて、永年勤続表彰を受けるほどのベテランになってしまいましたが、ずっと満足しながら過ごしてきたわけではありません。むしろ無 駄 に反発し続けてきた(笑)20年と言っていいかもしれません。いまこそ、鉄道技術のエンジニアを起点として、様々な仕事に出会い、人と出会い、付加価値の 高い仕事ができることに感謝と誇りを持っていますが、そう感じるようになったのは、ここ2〜3年のことです。あ、もちろんまだ「満足」の領域には全然達し ていませんけどね(笑)。

さて、20年を遡り自分の就活中のノートを見返してみると、当時の私もいろいろ考えていたようです。私は当時電気工学を専攻する地方大学の大学院生でした。4年生の時から3年間、とにかく実験に明け暮れる毎日でした。ワンセットの実験が4〜6時間、ひたすらデータを取り続け実験中の様子もしっかり観察し、実験を夜通しで行うこともざらでした。とにかくこれが苦痛だったのです。たまに実験をしながら、少しサボってちょっと外に出ているときに限って、「実験中に席を離れるとは何事だ!!」と教授から大目玉を食らうなど、とにかく研究活動というものがこの3年間で「自分の性格には絶対に合わない!」とすっかり大嫌いになっていました。

一方で、休み中のアルバイトは「建設現場の電気工事」の仕事。作業服を着て、汗だくになりながら、とにかく体力勝負の仕事です。職長の親方や先輩も厳しかったけど、仕事をいろいろ教えてくださりとても勉強になったし(何より社会で役に立つ!)、しかもバイト代が(当時としては)半端ない!と来れば、もう言うことはありません!

こうして私の職業観は「額に汗して、頭と体を動かして金を稼ぐモノだ!」というものになっていきます。といっても具体的に何がしたいというものがあるわけでもなく、就活に入りました。鉄道会社(JR)は当時、民営化して10年余り経ち、「総合サービス産業」を謳い、鉄道以外の分野へ積極的な展開を行っていた時期でした。つまりは会社の中にあらゆる仕事があるように見えたので、「会社に入ってじっくり考えよう」などと思ったのです。面接でも技術職のほか、営業職や旅行業などはどうか?と聞かれ、「何でもやります!」と明るく答えていたところ、何とか内定を頂きました。

もちろん会社には、私の「大嫌いな」技術開発部門もありましたが、多くの技術系社員の人気部署で希望者が多く、間違っても自分が行くことはないと安心していました。しかし、本配属の内命の日、その技術開発部門がある車両工場に配属が決まります。「散々希望を聞いておきながら、何だよ!」としばらくは荒れた生活を送っていましたが、命に逆らうわけにも行かず、渋々工場に向かいました。

「この仕事が自分に一番合わないって、知っていて言ってるのに・・・」

そのテンションの低さは20年経った今も強烈に記憶しています・・・(苦笑)。よほどアタマにきていたのでしょうね。

結局、その後私はしばらく技術開発部門で仕事をしていくことになりますが、昔ほど仕事が合わないとは感じません・・・(当然ですね)。でもこの仕事が自分に一番合っているか?と聞かれたら、「う〜ん、まだわかってないのかな?」というのも実感としてあります。確実に言えるのは「好き」と「合う」は、当然違うということです。昔は「好き・嫌い」が基準で「合う・合わない」を決めていたと思います。ひょっとしたらそこで合わなければ仕事を辞めていたかもしれませんが、私にとって幸いだったのは、その点に関してあまり頑固ではなかったこと、悪く言えば堅いポリシーがなかったことでしょう。自分の特性として、その瞬間から数日はかなり深くドン底まで落ち込みますが、落ちきったところで「ま、しょうがないか」という割り切りが意外とあっさりできるというところがあります。

今日は「自分に合った仕事って?」というタイトルですが、私の結論は「そう簡単にわかるものではないんだよ」ということです。ではどうすれば、それらしいものが見つかるか?ということになりますが、それは意外と簡単です。ひとつはいろいろな仕事を経験すること。「いやだ」とか「やりたくない」と思う時点で、ひとつそのチャンスを逃しています。社内外を問わず、たとえ自分が望まない仕事でもアサインされれば全身全霊で取り組む、その先にこれまで見えなかったものが大小や数の差こそあれ、必ず見えてきます。もうひとつは、人のつながりを大切にすること。世の中には自分が知らない世界で活躍している人たちが星の数ほどいます。「わらしべ長者」ではないですが、ある時期から芋づる式に様々な人たちと出会って、そういう人たちにインスパイアされたり、意外な指摘を受けて「はっ!」と思ったりすることもあるはずです。SNSなどが身近になり、以前より人とつながることも物理的距離を超えて簡単になりました。

まぁ、先を考えると誰でも不安になりますが、このように考えると少し気楽になれるのではないでしょうか?