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社会人にとって大切な倫理観

北の大地から 2015/10/24(土) 09:07

10月も後半に入り、だいぶ秋めいて来ました。私の住む北海道は家から見える山々も山頂部は白く雪化粧して、冬の訪れが近いことを感じます。実はい ま仕事で九州→広島に来ているのですが、こちらは連日25℃を超える陽気で、夏を思わせる日が続いています。日本というのは狭そうで、結構広いことを実感 しますね。

今月も国内あちこち行っているのですが、先週は母校の大学で講義をするために秋田を訪れました。今日はその時に学生の皆さんにお話した内容について書きたいと思います。

 理工学部学生(4年生、大学院生)向けで半分は技術的な話、半分はこれからの就職や職業人としての心構えについての話です。特に後半部分についてお話しましょう。

 ここ数年、いろいろな会社や研究機関での不正、最近も自動車会社、建設会社に関わるデータの改ざんなど、会社に属する人たち、特に技術者の倫理感が問われるような事件が続発しています。一義的には様々な要因があって、それをひとつひとつ論評するつもりはないのですが、これをきっかけに自分を含めて、今一度個人の倫理観というものを考えなければいけないと思います。


 事件の報道だけをみると、「どうしてそんなことが起こるのだろう?」「なぜそんなことが平気でできるのだろう?」と信じられないのが率直な感想ではないでしょうか。
 人間は日常でも、どんなに集中していても様々な場面で「ミス」をします。仕事に限らず日常生活などでもよくあることです。


 「人間は、忘れる、間違う、思い込む。」


 これは皆さんも昨日、今日のレベルで、自分のことでも思い当たることがいくつかあると思います。

 しかしやっかいなのは、これには続きがあって、

 「人間は、忘れる、間違う、思い込む。そして時々“ズル”をする。」

 どうでしょうか?いやいやそんなことはナイナイ!と思うかもしれませんが、これも実は多くの皆さんが経験していることではないでしょうか。

 例を挙げて考えてみましょう。あなたが歩行者として交差点に立っています。赤信号なら当然渡ってはいけないのですが、もし車がいなかったら、車が確認できても遠くにいたら、急いでいたら・・・、いろいろな理由で無視して渡ってしまうような程度だとするとどうですか?

 その時は大丈夫でも、車は思わぬところから出てくることもあるかもしれませんし、夜間や雨が降っていた、運転手が脇見をしていたなどの原因で、いつもは大丈夫でも信号無視の事故は後を絶ちません。その時、「どうして信号無視なんか・・・」ということになります。

 仕事でも、後になってみて取り返しのつかない事態になる前に、いくつも気づくチャンスはあったとしても、最初のきっかけは今回の信号無視の例のように、結果には全く影響しない、誰が見ても問題にならない程度のことから始まったのだと思うのです。この小さな「ズル」を根絶することは現実として不可能だと思うのです(上記の例で言えば、絶対に信号無視をしないこと)が、どこが「ズル」の限度かということをしっかりと見極めることが必要だと思います。

 そのために必要なことは何か。そこが個人個人の「倫理観」です。特に会社などの組織では、予算やスケジュールなど、組織内部の理屈が支配的な価値観となってしまうのですが、何が正しくて何が正しくないかということを判断できることが大切です。

 普段から、自分の価値観を信じること、それを説明できる力を身につけてほしいと思います。人の言うこと(価値観)に同意することは簡単ですが、自分が考えていることを信じること、それを他人に理解してもらうことが、「ズル」を許容範囲にとどめることができる抑止力になります。社会に出ると、様々な価値観に支配される中で、何が正しいのかということをしっかり見極めて、昨今多発している不幸な組織ぐるみの悲しい事件が起きないでほしいと思いますし、そこで働く人たちが働きがいのある有意義な日々を過ごしてほしいと思います。

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今月の一枚は、福岡の櫛田神社。博多祇園山笠の出発地点です。
不幸な事件が収まり、人を信じることができる世の中になるよう祈願してきました。