キャリア メンター ネットワークは、将来性ある若者のキャリア形成をサポートします

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キャリア形成をさまざまな視点で見つめます

明けましておめでとうございます。本年もメンターブログをよろしくお願いいたします。

2017年は執筆陣が少し変わり新体制でスタート致します。

 

これまで長らくお世話になりました敷村さんとcederさんに代わり新たに 三木さんにご執筆いたいただきます。敷村さん、cederさんありがとうございました。またいつかご登場いただける日を楽しみにしています。

【新執筆者三木秀夫さんのご紹介】

三木さんは、組織人事関係の非常に広い範囲のお仕事をしてこられた方で、コンピテンシーに関するノウハウを日本へ導入し、ハイパフォーマー・モデルやそのトレーニングを開発されました。またレジリエンスに関するトレーニングのデザインやトレーナーズトレーニングもやっておられるので、今回はキャリアメンターネットワーク向けにレジリエンスについてご紹介いただきます。

さて新年ですので、昨年を振り返り感じたところをまとめてみたいと思います。

昨年印象深かったのは、6月のブレグジットでイギリスがEUを脱退したことと、11月のアメリカ大統領選挙でトランプさんが大統領になったことです。

国内では桝添前都知事の辞任がありました。その前の猪瀬さんも不透明なお金の件で辞任に追い込まれましたが、桝添さんの場合は金額的にも違法性という面からも辞任は行き過ぎの感もありました。小池都知事になってから明るみに出たことも多く、結果的に良かったとは思いますが、桝添さんを辞任に追い込んだプロセスだけを見るとリンチのような感じさえありました。韓国では、パク・クネ大統領が弾劾決議を受けこちらも感情問題も絡んで今まさに引きずりおろされようとしています。

思えば一昨年、新国立競技場のデザインで、コンペで優勝したザハ・ハディドさんの案が覆され、エンブレムのデザインも 当初の佐野さんのデザインが、パクリ疑惑やコンペの不透明性なども絡んでやり直しになったときも(これも個人的には結果に不満はないのですが)、なんでも世論でひっくりかえってしまうことに一抹の怖さも感じました。

このオリンピック関連のやり直しと、桝添さんやパク・クネ大統領が引きずりおろされたこと、さらには、イギリスがEUを脱退し、トランプ大統領が誕生した件もすべて、「大衆の意見が通った」という意味で共通した現象だと思います。

もちろん国民投票や選挙は民意を問うものですから大衆の意見が通って当然ですが、その大衆の意見そのものがいろいろな影響をうけて形成されるものですから、何に影響を受けたかで話は変わってきます。昔は世論形成にはマスコミの影響力が絶大でしたが、今やマスコミはオピニオン・リーダーとしては全くその影響力を失いました。

それはアメリカ大統領選挙でほとんどのマスコミがヒラリー・クリントンを推し、トランプについたのはフォックステレビぐらいだと言われているにもかかわらず、劣勢だったトランプ氏が大統領になったところにも如実に表れています。

それに変わって台頭したのはインターネットで、実際にネットの普及と比例して、たとえばネトウヨの台頭など世論が変質してきたと数年前から感じていましたが、それがいよいよ社会を動かしはじめたという意味で臨界点に達した感があります。

我々は、他から全く影響されず独自に意見を持つことなどありません。意識的であれ無意識的であれ周囲から入ってくる情報や信頼できる人の意見に影響を受け自分の考えが固まっていきます。したがってそれは自分の意見ではありますが、所属するコミュニティの影響を受けています。

その所属するコミュニティの中に、従来とは全く違う形のサイバーコミユニティが入ってきたのです。スマホさえあれば、いつでもそこに入れますし、膨大な量の情報がそこから流れ込んできますので、好むと好まざるとにかかわらず従来のリアルなコミュニティ以上に影響を受けます。

その影響力絶大なコミュニティは、その内容に関して誰の管理下にもなく、誰も責任を負わないような発言があっという間に増幅されるという特徴があります。無法地帯とはいいませんが、リアルコミュニティとはかなり違った常識や流儀が混在します。そして、もちろん私もその影響を無意識に受けている大衆の一人です。

さて、この不可逆性の変化に対してどう対処すべきか。

全くありきたりの答えですが、多くの人とよく対話をすることだと思います。簡単に結論を出さずに、そして諦めずに、投げ出さずに、話し込んでみる。聴き込んでみる。そこから新たなコミュニティの文化を創り出して行きたいと考えています。

本年もよろしくお願いします。

堀口卓志

人と組織の問題に30年以上関わってきましたが悩みがつきません。
マネジメントセオリーの多くは 未だに 半世紀以上も前の米国の研究に依拠しておりますが、インターネット以降それらが次々と破壊されてきた感があります。
科学技術のめざましい発展に比べればこれは当たり前のことかもしれません。
私自身も含む旧世代は過去の知識に過度に依存せず、評論をするのではなく、自らが変化にチャレンジすることによって解決の道筋が見つかると考えています。