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景気の波と機械化と、仕事と幸せ

海外就職女子ららら♪ 泣いて、笑って、夢を見て 2017/03/18(土) 06:00

こんにちは。Alexです。

2017年、シンガポールの飲食店や小売業は、業績が厳しくて、どこも悲鳴を上げております。Alexのお店も世界の景気低迷の御多分にもれず、売上は精一杯頑張って前年を維持。あまり楽観的になれない予測を立てております。

 

例年、クリスマス時期から旧正月(2017年は12829日)は売上が一年で一番大きくなりますが、クリスマスから続くフェスティブシーズン後の買い控えで「チャイニーズニューイヤー後の1.5か月の低迷」は想定内。ところが今回は、「想定する低迷後の反動」がありません。買い控え時期は過ぎたはずなのに、ビジネスが戻ってこないリアルなゾクゾク感は、どんなエアコンよりも肝までよく冷えます。今までよりこまめに随時マネジャーと話合いをしながら、目指している場所、今打つべき手や、案件ごとの責任者を相談し、フォローアップ。

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今後5年の経済見通しが横ばいのシンガポールにおいて、売上が一定ならばコスト削減は急務。単純作業の自動化、機械化は一層進みます。むやみに家賃が高いシンガポールの飲食店では、タッチパネルのオーダーシステムがますます浸透することでしょう。私も機械は嫌いですが、お客として慣れていかなくてはなりません。個人的にはマクドナルドのタッチパネル式注文システムですら、気が遠くなるほど嫌ですが、「やっぱりそうしないと、ダメなのかな?」「費用はどのくらいかかるんだろう?」と、最近は観念し、情報収集をはじめました。

シンガポールでも回転寿司は広く人気があります。付加価値を高める系と、一皿100円均一・の価格訴求型。(日本のことは知りませんが、ニュースで見ると)日本では付加価値を訴求するスシローが圧倒的な首位に立っているとのことですが、反対にシンガポールでは、価格訴求型のほうが、今は勢いを感じます。そもそも、価格が高すぎてそこにバリューがないのは、家賃と人件費が異常に高いシンガポール全体に共通する業者の苦悩。

話は戻って、均一価格のお店は、食事時は真っ先に行列ができます。スシレーンにすし以外のものがたくさん並ぶ様子も、すしの形をした食べ物も、日本人には「これは寿司とは言えない」と、入る気も失せるものです。でも、ビジネスとして成功しているのは、やはり「マーケットに受けいらられている」という観点から、「日本人から見たら、こんなのは寿司じゃない」なんて偉ぶるのは間違いで、自分の価値観を脇に置いて、客観的に観察するべきです。訴求点がわかりやすいし、お財布に優しい。そして、たぶん、こちらのマーケットでは、そんなに生の魚など、出さなくても良い・・・実はね。ということなのでしょう。

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自動化が進み、機械にとって代わられて、人間の仕事がなくなると言われつつ、シンプルな業務はいつも人材不足。インターネットショッピングの利用率が高いシンガポールでは、配送業界の人手不足も深刻。しかも、デリバリーマンは、唖然とする給料の低さ。「1個運んで1ドル(約80円)しかもらえない!!」とのことでした。それでは、みんなやりたがりませんよね。私がマイルで交換した鞄は、配達までに約2か月経過し、本日届きました。合掌。

こんなわけで、機械化が進んでも、人間でなければできない仕事も山ほどあります。ところが、それはお金にならないし、やりたい国民も少ない。「単純作業は外国人労働者に任せればいい」と移民政策を訴える人もいますが、選挙前に「外国人に仕事を奪われて、国民には仕事がない」と声高に言い始めるわけで、シンガポールでの外国人の採用もハードルがますます高くなっています。求人があっても、やらないくせに・・・と言いたくなるのは、サービス業のマネジャー全員が思っているはず。

オーストラリアに住んでいた時も、「タイル職人だったら、オーストラリアで永住権がもらえる」「ヘアスタイリストだと、永住権がもらえる」など、永住権に群がり職を決める韓国人がたくさんいたことを思い出します。だけど、やっぱり同じように、オーストラリア人から移民に職を奪われることへの不満はありました。もともとはみんな移民だろう・・・とツッコみたくなりますが。アメリカでメキシコとの間に壁をつくるトピックスと、同じことのように思います。どこの国でも、移民(特に第一世代)への風当たりは相当強いものです。

Alexがいる飲食業も、労働市場の需要と供給の不均衡に直面しており、厳しいものです。スタッフに負荷がかかっているなーと思っても、長く働いてくれることもありがたいのですが、こうも経済環境が厳しいと、給料を上げることすら、ほんの少しずつしかできません。(こう書いているうちに、申し訳なくて、気分が盛り下がってまいります。)でも、安定して収入があり、同僚との関係も健全で、特に文句がない労働環境で良し、とするスタッフも多いわけです。給料は多いほうが良いですが、「続けられる居心地の良さ」も大切なこと。安月給で居ついてくれる当社のスタッフには、感謝です。

とりとめのない「最近気になること」を記してしまいました。

やれ機械化だ、経費削減だ・・・と関心が飛び、最近めっぽう忙しいのは、実は来月また新店舗をオープンさせることになりました。次は観光地で、今までとは形態が違うお店を開きます。新たな挑戦は、とても楽しみです・・・・なーんて、実は過去2年その観光地の違う店で働いていたので、多少の勝手はわかっているつもりで、忙しいけれど心に余裕を感じます。この先3ヵ月は、ほとんど休みが取れそうもありませんが、店を開けるのは楽しみのひとつ。私は私ができる範囲で、最高の仕事をしようと思います。会社の業績がついてきたら、きっとお金もついてくるはず。

次の店の開店が落ち着いたら・・・・・・・今度はヨーロッパ方面に旅行してみようと思います。2017年は、少し幅広く移動して、凝り固まった頭をマッサージ&リフレッシュ。新しい情報と、見慣れぬ世界からエネルギーを吸収し、もう一回り受け皿が大きな人になろうと思います。

それでは皆様、また来月お目にかかりましょう。