先日、会社用に、パソコンを4台買いました。ちょうど「家電フェア」をイベントホールで開催していたので、バングラディシュや中国などから来た外国人労働者たちに紛れて、開場前に1時間半並び、「1日10台限定」のお買い得品を4台ゲット。会社のために、約10万円節約できたと思うと、勤務先に貢献できた感があり、大満足。
ところが。
1台ずつ初期設定していたのですが、最後の1台がおかしい。ディスプレイの角度が、ほんの一瞬の角度以外、映らない。接触が悪いらしい。
新品なので、購入した会社のウェブサイトから「お問い合わせ」にメッセージを書き、不具合の状況説明の動画リンクをつけて、「こういう状況なので、交換してほしい」と連絡をしたのですが、待てど暮らせど、連絡がない。電話も通じない。(シンガポールの会社の名誉のために言うと、連絡をして返事が来ない・・・というのケースは、ちゃんとした会社やお役所では、ほとんどありません。必ず、何らかのリアクションがあります)
珍しいな・・・・仕方がないので、領収書に書いてある住所に持ち込んだ。すると女子事務員さんに「誰かに、ここに来いって言われたわけ?」と、ぞんざいな扱い。「だって、問い合わせたけれど返事もなくて、らちが明かないから直接来ました」という。場所は倉庫みたいな産業用のビルだから、来客が珍しいのも、うなずける。結局、「営業担当者がまだ出勤していないので対応できない」と言われ、パソコンを預けてその場を去る。
数時間後。
「ここでは扱えないから、メーカーの窓口に行ってくれ」という電話があり、再訪問し、パソコンを受け取って、紹介されたメーカーの窓口に行く。メーカーの窓口で、新品に交換してくれると思っていたら、担当者が「あなたが購入した店は、交換する気はないってことだねから、ここで修理します」と言う。
えーーー!?
新品を正規に購入したのに、不良品に当たった不運を、自分の時間を使って修理に行くことに、納得がいかない。メーカーの瑕疵として、メーカーの在庫と交換してくれるんだと思って来たのに、修理?なんで?
購入店の言い分は「あなたは、Websiteのお問い合わせ窓口に連絡したから、営業担当には情報が回ってこなかった。だから返事がこなかった、というわけ」「たとえ使っていなくても、購入して6日以上経過しているから、メーカーとの契約で交換できない。しかし保証期間内だから、無料で直せる場所を教えた」とのこと。
「販売店とメーカー間の契約なんて、一般消費者の私には関係ないし」
と文句を言ったところで、この会社が何かをしてくれると思えないし、だからと言って、メーカーのサービスセンターのお兄ちゃんに文句を言ったところで、「じゃあ交換しましょう」という権限があるとも思えない。彼らの仕事は、直すだけ。この縦割り感、与えられた権限の中でだけ対応する「シンガポール流」を改めて実感。
近々、会社の備品のパソコンは戻ってきて、きっと普通に使えるようになるでしょう。パソコンは、使えればいいわけで、用件はそれで済んでいる。それでも、なんだか気分は悪いものです。怒っても仕方がないですが。
シンガポールって、こんな国。
ゴネてもどうしようもないことが多いんです、
そんなことを言うのは、実は、つい先日「これは無理だろう」と思うのに、新品に交換していただいた出来事があったのです。ブランド名を上げると、ディオール(Dior)。
数か月前、韓国の空港の免税店で(あまった現地通貨で)化粧品(マスカラ)を買いました。現金で買ったし、何も考えずにレシートは捨てました。その後、シンガポールに戻り、買った1か月後に開封したら、壊れていました。
レシートないし、買った国も違うし、どうしよう・・・・と思ったのですが、「外国の免税店で販売している商品に不備がある」というケースも、世の中にはありえるんじゃないか? グローバルブランドって、どう対応んだろう?と、興味関心ががあったので、シンガポールの化粧品のDiorのカウンターにアプローチ。
「ここで交換してほしいわけではないし、レシートも捨ててしまったのですが・・・・実は、韓国のA空港でB月C日D時E分頃に、ゲートF近くの免税店で、この商品を買いました。その後、飛行機はGに載り、日本に向かいました。買ったときの飛行機のレコードが残っていると思います。1か月後に箱を開けたら壊れていました。・・・こういった国を超えた問題の場合、どこに問い合わせをしたらいいのか、教えていただけませんか?」と。
店員さんも、「あら、本当に壊れているわ」。「オフィスに連絡はしてみるけど、どう対応してくれるかはわからないんだけど」と、私の連絡先をメモ。すると、約10日後に、オフィスの人事部からメールがありました。
「交換できるかどうかは、上司の判断次第ですが、いつどこで購入し、どう壊れていたのか、写真を送ってください」とのこと。
リクエストされた情報を記入し「購入したのは韓国の空港の免税店ですし、レシートもないし、この案件はシンガポールの管轄外だと思うので、各国の免税店商品の不備に対応する窓口があれば、そこを教えていただければ十分です」と返事。
1週間後に「交換しますので、不備があった商品を持ってきてください」との連絡が。
まさか、シンガポールで(しかもレシートもないのに)交換していただけると思わなかったので、本当に驚きました。世界のDior、さすがです。普段はダイソーの化粧品も使う私ですが、感動して「またDiorで買おう」と思ったものでした。
シンガポールらしい応対と、らしからぬ応対に出会ったこの2か月。
とはいえ、日本の顧客対応の丁寧(すぎる)状況に、「謝らなくていいですから・・・・」と言ってしまうくらい、居心地の悪さすら感じるAlexなのでした。
それでは皆様、また来月お目にかかりましょう。