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Taste of life Taste of life

こんにちは、Alexです。

自分がやりたいことがぼんやりとしか見えてない一方、人のことについて「それは違うな」と思うことはありませんか?

最近Alexは、仕事を通して人生の探しものをしている感があります。例えば「こういう商品を作りたいんだけど」というイメージを人に話し、「うーん、ちょっと違うんだよな」「この人には伝わらないな」「確かに!」「私はこういうイメージですが、何か参考になる例をご存知ですか?」など、やり取りを通してアイディアを削りだしていくうちに、「もう少しで‘これだ’が見えそう!」という段階に浮かび上がる。何か月もかけて焦点が合い、心のモヤモヤが具体的な商品として「これでいこう」と決定打見つかった時の気分は彫刻家。心の中に隠れているものを削りだして、「あなたに会いたかった」とスッキリする。とはいえ、10のアイディアのうち2個が具体化すれば良いほうで、うまくいかない80%のモヤモヤは、そのまま持ち越し、大抵の場合は中途半端に立ち消えになる。何年も経ってから、誰かの一言がハッとするアイディアに代わり、化けることもある。

 私は臆病なので、人に自分のアイディアを初期段階で語ることを恐れている。人に話すことで自分の無知を知り、「そんなことも知らないの」と恥をかくのも嫌だし、ポジティブに捉えられる場合と、「話さなきゃよかったな」と後悔する状況もある。ただ、アイディアが具体化してきた段階では、プラスマイナス両方の意見を建設的に吸収することができるので、「きっと初動に時間がかかるだけだ」とポジティブな自己分析をしている。

そんな自分と一部重なって見えるのが、最近シンガポールで働き始めた25歳の日本人。

Taste of life本人は、「海外に出たい」と勢いがあったわけではなく、英語ができるわけでもなく、大学時代のバイト先の友達がシンガポールで働いていたので、声をかけられたから飛行機に乗ってみました、というノリ。本人はもともと、親の事業を継ぐつもりだったのに、親が商売を閉めたので、「今後行くところもないし、別にシンガポールでもいいか」という選択だったそうです。大卒ですが日本で約2年、日本の会社員としての社会人経験はなく、バイトの延長で飲食業で働いていました。しかも何度か転職。履歴書を見ても、つかみどころがない職歴。

 ところが、シンガポールに勤務して3か月、彼の存在は、職場に大きな影響を与えています。アジアの多国籍、多民族な職場は、どこか雑然としていますが、この日本人の若者が職

 場に入ってから、「日本カルチャー」とも言える、凛とした静けさ持つ安定性が、職場に満たされた気がするのです。もちろん、本人の性格や頭の良さ、勤務態度の良さにもよると思います。

 彼が上手にシンガポール勤務をスタートさせたポイントは、日常のあらゆる場面で「日本と違う」「こうしたらいいのに」と思うことも、ひとつひとつ反応せず、黙々と現場に慣れることに集中していることです。既存の同僚が「この人は、僕たちと一緒に働いてくれる」と認識して、受け入れ始めています。「場に馴染んで共に体を動かすこと」のほうが、関係づくりには効果が大きいことの成功例。

Taste of life 彼の静かな勤務開始から3か月、きっと数えきれないカルチャーショックに直面していると思います。英語もできないので、言いたいことも単語がようやく出る程度。「何かが違う」と思いながら、何をどうしたらいいのかがまだよく見えていない段階。言いたいことも言えない。けれど、最近の若者はクールで、あらゆる矛盾を自分の中で一度消化しようとする力や強味があるのかもしれません。

 時間の経過とともに考えが少しずつ明確になり、やりたいことと自分ができることが見えてくれば、近い将来、彼の提案やアイディアもチームメンバーに建設的に取り組んでもらえるのでは、と期待しています。

 20代の彼も、40代の私も、同じような悩みを持ち、同じプロセスを経て前へ進んでいる。

 そんなこと感じる今日この頃なのでした。

 2015年10月はインドネシアの焼き畑農業に由来する煙害がひどくて、毎日が曇り空のようで、目が痛く、息苦しかったのですが、11月に入り、焼畑シーズンが終わったようで、久しぶりに青空を堪能しています。空が青いことが嬉しい。

それでは皆様、また来月お会いいたしましょう。