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キャリア形成をさまざまな視点で見つめます
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こんにちは。Alexです。

シンガポールで仕事をしていると、時々、日本に暮らす大学生~20代半ばくらいの年齢幅の方から「漠然と、海外で働いてみたいんです。イメージははっきりしていないのですが、ぜひ、話を聞かせてくれませんか」という問い合わせがあります。

また「とりあえず現地に来て、その後のことは現地で考えよう」というパターンの方。たとえば、半年はホステスとしてビザがもらえたけれど、もうすぐビザが切れるので、次の仕事を探さないと・・・という問い合わせ。

大抵の場合、メールや面談など、接点は1回でおしまい。

「はじめまして」とアプローチが来て、シンガポールで仕事を探した時の体験や、私が現在募集している人員・労働条件など、お問い合わせに応じて回答します。大まかな回答なので、ツッコミどころ満載。当然、次の質問が届くのを待っているのですが、いつも返事は「勉強になりました。自分はまだまだだと思いました。しっかり自分を見つめなおします。ありがとうございました」というお返事が届いて、以上終了。image1

正直、その反応に「ツマンネー」と思うわけです。

ところが最近、何か月も前に、例のごとく「勉強になりました。自分が何がしたいかよくわからないので、もう少し考えてみます」と、つまらない回答をしてきた大学生から再度メールが届きました。

「実はあれから、インドネシアにボランディアに行きました。やはり、もう一度、シンガポールで働くことも考えて、まずは年明けに一度行ってみようと思います。ぜひ現地でお目にかかれれば」とのこと。

ほほぅ。

よくわからない状況のなかで、とりあえず動ける人なんだ・・・と、ちょっと関心。

正直、ご本人がまともにシンガポールで就職活動しようとしたら、仕事をゲットするのはかなり難しい。大学のランクもあまり高くない(地方の女子大)、労働経験もバイトしかない状況では、会社もたいした給料を払えない。同時に、最近のシンガポールの政策で「その程度の人なら、シンガポール人を採用すればいいじゃないですか。どうしてわざわざ外国人を雇わなければならないのですか?」という政府の基本方針に反論する余地がない。

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そこをアピールするために、この外国人には「この専門能力がある。」「この経験が豊富」または「給料が高い」など、ビザの申請業務を通じて、その人を雇う意味を政府に伝える必要があるわけです。繰り返しますが、現時点では、仕事の経験がない人がシンガポールでビザを得るのは、とても難しい状況です。

そういえば、「6-7年前、新卒からシンガポールで働いています」とか「小学生のころからシンガポールで育っています」という日本人と仕事をすることもありましたが、日本なら新入社員研修で学ぶような内容のこと(たとえば、名刺の持ち方、出し方もできていない)という状態で20代後半になってしまっていました。ですから、採用する会社の立場で言えば「新卒はいらない。勤務経験がある人が望ましい」と判断してしまうのも、わかる気がします。

しかし、Alexはサービス業界。

Taste of lifeここは、ハングリー精神に満ち溢れた各国からの労働者がしのぎを削る場所。経験値が多少低くても、シンガポールでの仕事が欲しくてたまらないフィリピン人は単純業務を毎日12時間、週6日間働く条件で、かつ、法に触れないよう雇用契約を結ぶケースもある。そんな「絶対にシンガポールで仕事が欲しい人たち」と同じラインに立って戦うつもりがある人なら、多少経験が少ない日本人でも、雇っても構わない。

「ちょっと海外で働いてみたいんです~」「自分探しで」というノリで来る程度だと、正直、出稼ぎに来ているフィリピン人には、真剣度で、とても敵いません。

話は戻りますが、Alexに2度目のアプローチをくれた女子大生。

「もし、現場の責任者の面接に通過できて、そして、渡航時期にうちの会社で外国人採用枠が余っているのであれば、うちの会社で雇ってもいいですよ。自力で家を探せるようになるまで、1か月くらい(2か月Max)なら、1日30ドルでうちの一部屋を貸してもいいし」と、提案をしました。

そのメールへの返信はあっという間で、感激と感謝に満ち溢れていましたが、さて、本当にやってくるかどうか?(笑)

私は「誰が何を言ったか」なんて、全然信じません。「その人が何をしたか」だけを信じます。3度目のアプローチがあるかどうか、この学生さんの場合、きっと2016年になってからのお楽しみですね。

働いてみたい人には、当社に合っていれば、仕事の場は提供します。ただ、ビザがおりるか否かは、政府の決定事項です。会社としては、必ずシンガポールで働ける保証はできません。でも真面目に働く方が職場に参加してくださったら、それはとても楽しいです。インターナショナルで、マルチレース(多民族)な職場ですが、肌の色や国籍に関わらず、共に仕事をするチームとしてお互いの存在を認め合い、刺激し合う環境は、学びが多いものだと信じております。

それでは皆様、また来月お会いいたしましょう。