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キャリア形成をさまざまな視点で見つめます

海外に飛び出す人、およびその子供世代

海外就職女子ららら♪ 泣いて、笑って、夢を見て 2015/04/18(土) 09:53

こんにちは。

シンガポールで働く日本人、Alexです。

Alexの家系はいわゆる一般的な日本人で、家業の事情で6世代にわたり、東日本の2都市にまたがって暮らしていたようですが、ほぼ全員が日本で生涯を過ごしています。それより先の世代は、数十年前のお寺の火事により家系図が焼失し、素性はわからなくなってしまいました。

聞くところによると、明治生まれの祖父の兄弟が一人、「大金を稼げる」と聞いてブラジルに渡ったらそうですが、消息が途絶え、どんな人生を送り、いつどこで亡くなられたのかもわかりません。

時代は平成となり、Alexがひょっこりシンガポールに住みついて、現地で結婚して子供が生まれたあたりで、うちの家系のイロモノとして確固たる立場を築いております。唯一気を付けていることは、行方不明にはならないように、実家や家族とも連絡を取り、Facebookを通して友達ともつながり、日本大使館の緊急連絡リストにも登録をして、生存確認ができるようにしております。

そんなAlexは第一世代ですが、今回は少し時間をまたいで、第二世代の友人たちのことをご紹介させていただきます。この事例は直接「キャリア」や「就職先を探す」という意味では役に立ちませんが、生き方や働き方の選択肢として、ご参考になることがあればと思います。

さて本題。

やはり世界各国の人たちにとって、「夢をかなえに外国に行く」…と言えば、目的地の代表格はアメリカンドリーム、USA。あれから何十年。今、Alexはシンガポールで「移民系2世のアメリカ人」に出会うことがあります。アジア圏では、べトナム系アメリカ人。フィリピン系アメリカ人、韓国系、ラオス系、日系、台湾系といった具合に。

彼らの両親がフロンティアとして第一世代が現地で生計を立てていく苦労は、並々ならぬものがあったと思います。その一方、第二世代(私の友人たち)は、その国で生まれ育った子供で、現地の国籍もあり、その国の教育を受け、社会福祉の恩恵にもあずかれる立場。ある意味第一世代の「夢」が叶ったひとつの形であろうと思います。

ところが、第二世代というものは、親が「ようやく手に入れたもの(アメリカのパスポート等)」の恩恵を感じつつも、自分のルーツをたどる指向性もあるようです。

アジア系人種には、体感的な差別感があるようで、「アジアのほうが暮らしやすい」という話もよく伺います。親が作った自国の料理を食べて育っているので、アジアの食事が口に合う人も多いです。偶然かもしれませんが、ベトナム系アメリカ人は、同じようにベトナム系アメリカ人と結婚している場合も多く、人間の帰巣本能というか、似ているものに寄る心理があることを、まざまざと思い知らされます。

ではなぜ親の本国ではなく、シンガポールなのか?

「自分はアメリカで生まれ育っていて、親の言語も話せるけれど、旦那は英語しかできない。シンガポールは英語が通じて便利なアジアだから、ここで暮らしている。」という理由も良く聞きます。

さて、二世たちがシンガポールで仕事を見つけるバターンはいくつかあります。

グローバルな企業内でシンガポールへの異動を申し出て引っ越してくるパターン。

本人が会計士や弁護士などの資格を持っていて、専門性をツテに仕事を見つけるケース。

オペレーションが世界的に業界内で標準化しているケース。例えばホテルや、グローバルなコーヒーチェーン、小売や飲食業など、オペレーションが基本的に共通している場合。ノウハウがわかっていれば、現地での就職は比較的簡単に見つけられるかと思います。

現地にて、自分の過去のキャリアをベースに、シンガポールに来る前に、同業界内で仕事を探す。

前提として、子供の頃から親の国には何度も行っている、とか、学生の頃や転職前などのタイミングで、若いうちにアジアを旅したことがあり、現地の空気感を知っている人が多いようです。

世代をまたぎ、国をまたぐ生き方は、思考の枠がひとつ取り払われているせいか、選択肢が多いです。でも、人生って映画みたいにバラ色だけではありませんので、彼らの日常は、やはり上司や部下の人間関係、労働時間、給料、資格、国の制限、家族の問題、達成感、やりきれなさ、喜びなど、今、これを読んでくださっている読者の方が直面する喜怒哀楽と、感情面では同じです。ただ、自分のルーツがある場所(だけどアウェイ)での体験は、受け入れがたい難しい問題に直面しても「ここは外国だし、きっとここではこうなんだ」と、自分を納得させやすいのかもしれません。

こうして、親世代が頑張って獲得した市民権を持ちつつ、子供たちは親のルーツがあるアジアで永住権等を得るなど、Uターンするように、根っこを張っていくのです。

大学を卒業しても就職先がみつからない方々へ・・・・というCMNの役割と、今回の記事はうまく関連付けができておりませんが、私が言いたいことはいつも同じで、

「考えすぎて動けなくなるより、動きながら考えてみませんか?」というメッセージ。いろ人に会い、いいことも悪いことも、参考になることもならないことも体験しながら、自分なりにワクワクする生き方を見出せたらいいな、と思います。

この記事を読んでくださっている方が、就職先を見つけるだけではなく、「俺/私 が楽しいと思える人生」も合わせて見つけて下さったら、私にとって、これ以上の幸せはございません。

次回は、ある日突然仕事を失った経験と、仕事探しの状況について、自分や友人の辛く苦しい事例を交えながら、ご紹介しようと思います。