また、何かの分野においてお金を払いたいと思う場合、皆さんがお金を出す立場であるとしたら、どういった人であればお金をはらってでもやってほしいと思うでしょうか?その分野の素人であればお金を払ってくれる人は少なくなりますし、逆にその分野で世界一、ということであればお金を払いたいという人がより多くでてくるでしょう。世界一というのは極端ですが、日本一でも都道府県一でも良いと思いますが客観的に見てその分野で優れていると言える(もしくは誰かが思ってくれる)場合に仕事として成立するのだと思います。
例えば、次のような条件の場合は仕事として比較的成立しやすいと思います。具体例としては、急に成長した産業があったとして、その産業で仕事をやりきれるほどの人が少ない場合などです。ITが日本で仕事になり始めた頃はこの条件が非常に強く当てはまっていました。
お金を払いたい人の数 > 十分なスキルや経験を有している人の数
逆に次のような条件ですと、仕事として成立するかもしれないけれど条件としては厳しくなります。給料が安くなるとか、仕事が自分には回ってこない、ということが起こります。同じ領域で仕事をしている他の人よりも自分がどう優れているのかを上手に説明できる、または客観的に主張できる実績など(例えば受賞歴やテレビ出演)があると強みになります。
お金を払いたい人の数 < 十分なスキルや経験を有している人の数
さらに次のような条件になるとかなり厳しくなります。趣味の人口が非常に多い領域ですとちょっとやそっと経験があってスキルがあるくらいでは仕事になりにくく、この条件に当てはまってくるでしょう。
お金を払いたい人の数 << 十分なスキルや経験を有している人の数
抽象的な話はこれくらいにして、私の例を少し挙げたいと思います。私は高校生のときにパソコンのことを結構覚えて、その時点パソコンを仕事にしている会社員の人に感心される程度には知識を持っていました。次に、大学生になった時にインターネットが普及し始めたので、自分の知的好奇心からインターネットに関わる知識や技術を身につけたいと思い、目に付く書籍は片っ端から購入して読んだり、具体的な作業(ネットワーク構築やらプログラミングやら)をやっていきました。書籍を読んだだけでは自分の理解が正しいかどうか自信がありませんので実践する必要がありますが、それを実践するには環境が必要です。当時大学の情報センターに居た先生にお願いしてその先生の傍らで実践する環境お借りする機会を得ることが出来て、いろいろなことを覚えていきました
ここで、私自身は何かを目指して勉強していたのではなく、単純に知的好奇心の観点から学べることは全て学びたい、というスタンスでインターネット技術に関することを片っ端から学んでいったのです。自分が所属していた学科でも授業として情報技術に関わる内容があったのでアカデミックなアプローチで勉強もすることもできました。ただただひたすらそうったことを勉強してきたら、いつの間にかその辺の社会人(ITを仕事としている人たち)よりも詳しい分野が出来てきたり、効率的に作業が出来るようになっていた、ということです。
もちろんそのことには自分自信では気づくことができず、私のことを評価して仕事をすることを進めてくれた方がいたので趣味としてやっていたことを仕事としてやりはじめるきっかけを得たのです。
振り返って思えば、
・ 自分自身が人に高く評価されるほど知識や経験、実力、実績を持っていたこと
・ そのことを客観的に評価して仕事を斡旋してくれるひとがいたこと
・ 斡旋するほどに私の持っていたスキルが仕事として成立していたこと
という条件がそろったため仕事として成立(お金を払ってくれる人がいるということ)し、自分の社会人としての職業人生のスタートを切ったのだと思います。実力や知識があること、は大切ですがどんなに実力や知識があってもそこに目を付けてくれる人がいる、ということが重要な要素だったと思っていますし今でもそう思っています。
次回は私が大学生の時にどのようにITに関する技術や知識を身につけたか、ということについて少し掘り下げてお話ししたいとおもいます。